「か」から始まる用語一覧
259件
寒色(かんしょく)
寒色とは、主に青や青紫といった視覚的に冷たさや寒さを感じさせる、青系統の色を指す。
色は特定のイメージを感じさせたり、視覚的効果を与えたりするが、寒色には神経を落ち着かせる作用がある。中でも青はその作用が強く、誠実さや清潔さ、涼やかさをイメージさせる。色の効果を生かし、建築物の外壁や内装などの空間演出に用いられる。例えば、書斎や勉強部屋など、落ち着きを必要とする空間などに寒色が使われることが多い。また、同じ距離から見て遠くに感じる寒色の後退色という特性を活かし、屋内の壁に奥行きを生み出して空間の広さを感じさせることも出来る。
間接照明(かんせつしょうめい)
間接照明とは、天井や壁面などに光を反射させて間接的に照らす照明方式を指す。
照明器具の光を直接あてる直接照明に比べ柔らかい光となり、落ち着いた空間を演出できる。ただし照度が低いため、仕事や学習等の場合は作業場所を部分照明などで補助する必要がある。
間接照明の種類として、天井に光をあてるコープ照明、壁面を照らすコーニス照明、天井と壁面をバランスよく照らすバランス照明がある。照明器具には、スポットライト、スタンドライト、ブラケットライトなどがある。
乾燥材(かんそうざい)
乾燥材とは、木材の中に含まれる水分量を示す含水量が一定以下になるまで乾燥させた木材を指す。
建物に使用する木材の適当含水率は大きく3つに分類することができる。構造用製材は20%以下、敷居、鴨居、長押などは18%以下、床板、内装用壁材は10~15%である。また木材の乾燥方法は2種類あり、数カ月~1年程度で自然に乾燥させる天然乾燥法と、数日で乾燥させる人工乾燥法がある。
干拓地(かんたくち)
干拓地とは、湖、沼、海などを堤防で仕切って干上がらせるか排水をして陸地にした土地を指す。農地化する場合は、水や塩分を排除してから利用する。
埋立地の場合、他の土地から採取した土砂で埋め立てる必要があるが、干拓地の場合はその手間がかからない。一方で遠浅か潟ができるなどの自然条件がそろっていないと干拓することができない。
干拓地はもともと水中だったため地盤が弱く、住宅地としては向いていない。日本では古くから干拓が行われており、有明湾の干拓事業が最も規模が大きい。新たな農地が得られる一方で、環境破壊の恐れも指摘されている。
換地(かんち)
換地とは、土地区画整理事業で、従前地、つまり区画整理前の土地の代わりに交付される土地を指す。
土地区画が変更される工事を伴う事業の中で、工事前に所有していた土地の代わりに交付された新しい区画の土地を配分し、法律上同一のものとみなす。これにより工事前の土地に設定されていた各種権利関係を、土地の変更と同時にまとめて新しい区画の土地に移しかえる法制度を、換地処分制度という。
寒中コンクリート(かんちゅうこんくりーと)
寒中コンクリートとは、凍結の恐れがある期間の施工で使われるコンクリートを指す。
具体的には、日中の平均気温が4度以下になる日に使われ、コンクリートが凍結により所定の強度が得られず、凝固にも時間がかかるため、コンクリートの温度を上昇させる混和剤を用いる、十分な保温養生を行うなどといった措置をとることが求められる。
寒中コンクリートは温暖な時期のコンクリートに比べて扱いづらく、ひびわれなどの傷みが生じたり、強度や耐久性が劣ったものになったりしやすい。
貫通割れ(かんつうわれ)
貫通割れとは、板材や平角などの表から裏にかけて貫通しているひび割れを指す。不適切な乾燥や成長応力が原因とされている。貫通割れが起きている木材は欠点がある資材の可能性が高く、構造部材として強度も弱い。
貫通割れは、木材の割れの中でも一番酷い割れ方で、構造部材の割れ方ではほかに小口より若干の貫通割れが生じている状態を指す小口割れ、材の表面上に若干の貫通割れが生じている状態を指すヒビなどがある。
カンティレバーチェア(かんてぃればーちぇあ)
カンティレバーチェアとは、4本脚ではなく座面の片側だけで支える片持ち式構造の椅子を指す。
オランダの建築家マルト・スタムが1926年に発表したスチールパイプ椅子が、代表的なカンティレバーチェアとして知られている。脚部分はスチールパイプ製のものが一般的で、座面のシートが座ったときの重みで沈むため独特の浮遊感を得られる。4本脚の椅子よりもすっきりとしたフォルムであることから、省スペース目的でオフィスの待合室や会議室などに設置されることも多い。
関東猫間障子(かんとうねこましょうじ)
関東猫間障子とは、両開きの小障子戸が付いた猫間障子を指す。引分猫間障子の別名である。
猫間障子とは、障子の下部に小障子戸付きの小窓を設けたもので、小障子戸の開閉の仕方により、引分、摺上、片引がある。もともと猫が自由に出入りできるように作られた。気密性を考え小窓部分にガラスをはめ込み、景色を楽しむために用いているものも多く、その場合猫は通過できない。
カントリースタイル(かんとりーすたいる)
カントリースタイルとは、主に英語圏の田舎における古い暮らしの様式から、素朴でナチュラルにアレンジされたカントリー調のスタイルのことを指す。主に、イギリス・アメリカ・カナダのインテリアなどから着想を得て作られたスタイルである。主なカントリースタイルのインテリアとして、17世紀後半のイギリスで誕生したウィンザーチェアや、アンティークキルトなどが挙げられる。
カントリーハウス(かんとりーはうす)
カントリーハウスとは、イギリスの貴族や地主が田園地域に構えた邸宅を指す。
主に16世紀から20世紀初頭にかけて建築されているが、その起源は中世の「マナー・ハウス(荘園領主の邸宅)」にさかのぼる。初期の空間構成としては大ホール、礼拝堂、付属庭園などが共通していた。時代と共に用途や呼び名が変わり、レセプションルーム(応接間)、ライブラリー、ギャラリー、サロンなど、現代のホテルや集合住宅の様式にも影響を与える要素が登場している。
20世紀以降、維持できなくなった貴族から公的機関に所有権が移り、ミュージアムとして公開されている例が多い。
貫入釉タイル(かんにゅうゆうたいる)
貫入釉タイルとは、細かいヒビの模様が表面に入った施釉タイルを指す。
貫入釉はガラス釉の中でも膨張率の低い釉薬であり、焼成後のタイルの膨張率よりも低いために、タイルの焼成時には膨張したタイルにガラス釉薬が耐えきれずにガラスに細かいヒビが入る。こうして釉薬とタイルの膨張率違いを利用することで、貫入釉タイル独特の風合いのある模様が生まれる。
貫入の模様は作業過程において自然に生まれるため、一つ一つの模様が異なる。
閂(かんぬき)
閂とは、門や建物の扉が開かないように内側の金具に通す横木を指す。貫木(かんのき)、関木(かんぎ)ともいう。最も初歩的な原理を使った錠前の一種とされ、仕組みは単純でも外部からの開錠あるいは破壊することが難しい。
閂には元々堅い木が使われてきたが、時代を重ねるにつれて鉄の棒も用いられるようになった。扉の框や桟に取り付けられた、閂を支えるための箱金物は、閂鎹(かんぬきすがい)または箱座と呼ばれている。
現在でも調度品として価値が高いものが存在し、代表格として仙台箪笥がある。
冠瓦(かんむりかわら)
冠瓦(かんむりかわら)とは、瓦屋根の最上部・棟に載せる棟瓦の一種で、丸形や山形をした背の高い瓦を指す。瓦の結合部分である棟は雨を受け流し、下地に雨が侵入することを防ぐため、漆喰を塗り込みながらのし瓦を積み上げ、最後に冠瓦でふたをする構造になっている。積み上げる瓦の形状に合わせて、冠瓦の形は変わる。また高く積み上げることで、見栄えが派手になるといった効果も見込まれている。棟瓦のうち比較的平たいものは伏間瓦と呼ぶ場合が多い。
管理委託契約(かんりいたくけいやく)
管理委託契約とは、不動産のオーナーが賃貸物件の建物管理や入居者管理を管理会社に委託する、または、管理組合が分譲マンションの共用部をマンション管理会社に委託する契約を指す。
賃貸住宅の管理を委託する場合、委託できる業務は多岐にわたる。物件の清掃や保全を担う建物管理、賃料の集金やクレーム対応などを担う入居者管理などがあり、どの業務を委託するのかを明確にして契約する必要がある。
分譲マンションの管理を委託する場合は、区分所有者によって構成されている管理組合が行う、共用部分の管理・保全を委託することになる。
管理会社(かんりがいしゃ)
管理会社とは、不動産所有者から物件の管理を任された会社を指す。
管理業務の内容は契約によって異なる。建物維持管理のための清掃・修繕のほか、賃貸住宅では家賃集金の代行や契約更新業務、分譲マンションでは長期修繕計画案の作成など管理組合のサポートを行う。
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の規定による分譲マンション管理を行う場合は、国土交通大臣への登録を行う義務がある。
賃貸物件においては、仲介業とともに管理業を行う不動産会社も多い。
管理組合(かんりくみあい)
管理組合とは、区分所有建物の建物並びにその敷地や付属施設等の維持管理をするために、区分所有者全員でつくられた組織を指す。
区分所有法によって、区分所有者は全員、管理組合に加入することが定められているため、任意で脱退はできない。ただし区分所有法上では管理組合という言葉を使用せず、区分所有者の団体と呼んでいる。法人化も可能であり、法人となった管理組合の名称は、管理組合法人となる。管理組合は少なくとも年1回は総会を開き、管理に関するさまざまな事項を議決し、管理規約を定める。また理事を複数選抜して管理運営業務を行なう必要がある。
管理形態(かんりけいたい)
管理形態とは、マンションの管理について、管理人の勤務形態の形式を指す。
大別すると、管理業務を管理会社に委託する委託管理、委託せずに管理組合員で行う自主管理がある。委託管理には、常駐管理、日勤管理、巡回管理の3種類がある。常駐管理は24時間管理員がいて勤務を行う。夜中や休日などに関係なく、緊急時の対応をしてもらえる場合もある。日勤管理は、管理人がマンションに通勤して、決められた時間の中で管理業務を行う。巡回管理は、1人の管理人が複数のマンションを定期的に巡回して管理業務を行う。自主管理は、管理組合などが自力で管理を行うが、必要に応じてパートタイムの清掃員などを雇うこともある。
管理者(かんりしゃ)
不動産における管理者とは、分譲マンションの管理に携わる業務を行い、区分所有者の代理を務めるマンション管理者を指す。
原則として、区分所有者の集会による決議で選出される。管理組合の代表・理事長が選ばれることが多いが、マンションによっては管理会社が選ばれることもある。管理者は、総会の決議や管理規約の中で定められたことを行い、区分所有者全員の代表として、該当する建物および敷地等の維持や管理をする。
管理事務室(かんりじむしつ)
管理事務室とは、マンション等の集合住宅で、各施設に定められた管理人が管理業務を行う部屋を指す。
各自治体の条例などによって異なるが、設置する義務はないので、管理事務室がない場合もある。管理事務室内には、マンション内の管理規約等の管理、住民の名簿などの重要書類などが保管されており、給排水系の異常を察知してアラームで知らせる警報盤や、建物内の火災発生を知らせる自動火災報知設備の受信機などの警報設備がある。管理人はこれらを管理や監視をし、異常やトラブルが発生していないかをチェックする。また、防犯カメラモニターを確認し、マンション内のトラブルや不審者の侵入を防ぐ。