「へ」から始まる用語一覧
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ヘアクラック(へあくらっく)
ヘアクラックとは、建築物の外壁や内壁にできるひび割れのうち、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のものを指す。
経年劣化やモルタル・コンクリートなどの乾燥、地震や地盤沈下、施工不良が主な原因である。特に経年劣化は最も多い原因で、外壁などは雨水の吸水・乾燥を繰り返すと、外壁自体が膨張・収縮を繰り返し、その負荷からひび割れが起きる。補修に緊急性はないが、見栄えの悪さや構造への影響を防ぐためにメンテナンスが必要である。修復はコーキング剤や塗料、モルタルなどを用いて行われる。
髪の毛ほどのヒビ、という意味でヘアクラックと呼ばれ、クラックが幅0.3mm以上、また構造そのものに影響を与える場所(基礎部分など)にできるものは、構造クラックといわれる。
ベイウインドウ(べいういんどう)
ベイウインドウとは、台形に張り出した形の出窓のことを指す。もともとはサンフランシスコにおいて、自宅から湾岸の景色を楽しむために作られた窓といわれている。窓が張り出している分、室内に広がりがもたすことができる。張り出した部分に台所や洗面の設備を組み込んだり、窓の下方のデッドスペースにエアコンやデスクなどを内蔵した製品もある。
ベイクアウト(べいくあうと)
ベイクアウトとは、住宅の完成後に密閉した状態で室温を人工的に30度前後まで上昇させ、建材などに含まれる有害な化学物質を揮発、放散する行為を指す。
これにより、揮発性有機化合物のVOC濃度を下げ、住宅内の空気状態を改善することができる。VOCやホルムアルデヒドなどの化学物質はシックハウス症候群の原因になるため、暖房器具を用いて温度と湿度を上げて揮発させ、屋外へ排出する。
通常、工事完了から1~2週間程度のVOC放散期間を設けるが、3日程度の場合もある。ただし、建材の種類や、ベイクアウト時の温度、実施する時間と回数などによって効果は変わる。
平行突出し窓(へいこうつきだしまど)
平行突出し窓とは、壁面と並行に外に押し出す窓を指す。
窓を押し出すことで、窓枠との間にできた隙間から換気を行う。わずかな隙間のため風が直接入ることなく、室内外の温度差による気流が発生することで狭いスペースでも効率よく換気ができる。外側に大きく窓を開け放つことが難しい密集住宅地や、隣家との距離が近い場所に適している。人の目に触れにくいトイレや風呂場、洗面所などの水回りに設置されることも多い。一般的に、窓サッシや建具の素材にはアルミ、スチール、無垢材、樹脂などが使われる。
平坦地(へいたんち)
平坦地とは、敷地に高低差が少ない平らな土地のことを指す。高低差がある傾斜地に比べると建築がしやすく、工事自体も進めやすい。工事期間も短くなるので建築コストを抑えることができる。また、平坦地はプランの自由度も高く、建物完成後の生活もしやすい。道路からのアプローチがスムーズで車を横付けすることができ、買い物の運搬も楽である。ガーデニングを楽しんだり、畑を作ったりすることも可能である。
平板瓦(へいばんがわら)
平板瓦とは、長方形のフラットな洋瓦を指す。
もともとフランスから伝わった洋瓦を日本でアレンジしたもので、伝統的な本瓦葺きに使う平瓦のような湾曲はない。平板瓦は形状によって3タイプに分かれる。両端に少し盛り上がった部分のあるU型、やや大きめの山が2つあるM型、ほぼ完全に真っ平らなF型である。U型がスタンダードなタイプで、F型は屋根面に凹凸が出ないため太陽光発電のソーラーパネルを設置しやすい。U型とM型は立ち上がり部分にそって雨水が集まって流れやすいので雨仕舞が良い。
この他に、瓦を重ね合わせる部分にフックと溝をつけて相互にかみ合わせるオーバーラップロック方式によって、地震の揺れや強風の吹き上げに耐えられる防災性の高いタイプもある。
米檜(べいひ、べいひのき)
米檜とは、アメリカのオレゴン州を中心に分布するヒノキ科の針葉樹を指す。樹高30~50mの大木にまで成長する。軽く柔らかいため加工性に優れ、寸法の安定性も高い。また、日本の檜に似た芳香を持ち、絹糸のような光沢が特徴である。日本では檜の代用として使用されることが多い。柱や土台などの構造材、床材、ドアや格子戸などの建具材、家具材として広く使われている。
辺材は白色から黄白色、心材は黄白色から淡い黄褐色で、境目ははっきりしない。
平米(へいべい)
平米とは、面積を表す単位を指す。正式名称は平方メートルである。1平米は1m2であり、タテ1m×ヨコ1mの正方形の面積を表す。
日本にメーターモジュールが導入された際に、長さの単位であるm(メートル)を米と漢字表記したため、面積の単位に平米という名称が用いられるようになった。
ベイマツ(べいまつ)
ベイマツとは、アメリカやカナダの太平洋沿岸地域に分布するマツ科の針葉樹を指す。マツという名称がついているが、いわゆる日本のマツ属とは別の仲間で日本のトガサワラと近縁である。適度な堅さがあり、加工性や耐久性に優れる。大径で長尺の材を得やすいため、梁や桁などの構造材に利用されることが多い。また、集成材や2×4工法の合板としても使われる。十分に乾燥しないとヤニが表面に滲みやすいので注意が必要である。
辺材は白色から淡黄色、心材は色にばらつきがあり、黄色~黄赤褐色などがある。
ベースプレート(べーすぷれーと)
ベースプレートとは、柱脚を構成する部材で、鉄骨柱の脚部分に溶接し一体化される鋼板を指す。ベースプレートは、上部構造(鉄骨造)と下部構造(基礎)とを繋げる橋渡しの役割をし、基礎に埋め込まれたアンカーボルトと緊結される。 緊結する方法は、ベースプレートにアンカーボルトを差し込む穴を設け、鉄骨柱と溶接して接合し、基礎に、接合された柱やベースプレート、アンカーボルトを差し込み、コンクリートを流し込み一体化させる。
ペーパーホルダー(ぺーぱーほるだー)
ペーパーホルダーとは、主にトイレで使われるトイレットペーパーや、キッチンで使われるキッチンペーパーなどのホルダーを指す。ホルダーが1つのタイプと2つのタイプがある。スマホやポーチなどの小物をトイレに持ち込むことが多い場合は、ホルダー横にカウンターがあるタイプを設置することで、利便性を高めることができる。また、ホルダーに手をかけて立ち上がることが想定される場合は、相応の耐荷重があるものを検討する必要がある。その他、収納付きのホルダーなどもあり、トイレの収納量を増やすこともできる。
壁芯面積(へきしんめんせき)
壁芯面積とは、柱や壁の厚みの中心線で測られた建物の面積を指す。一方、壁の内側の寸法で測られた面積を内法面積という。建築基準法では床面積は壁芯面積のことを指すので、広告やパンフレットなどに記載されている建物面積や専有面積は壁芯面積で表示されている。ただし、マンションなどの区分所有建物では内法面積で登記されるため、パンフレットなどの専有面積より、実際の登記面積はやや狭くなる。
壁面収納ベッド(へきめんしゅうのうべっど)
壁面収納ベッドとは、壁面に設置した収納設備に格納できるベッドを指す。
発明者の名前からマーフィーベッドとも呼ばれる。ベッドを収納することで部屋を有効活用できるため、使用スペースが限られたワンルームマンションや子供部屋などに採用されることが多い。標準的に掛布団も一緒に収納できるため、ベッド使用時は引き出すだけですぐに利用できる。
壁面緑化(へきめんりょっか)
壁面緑化とは、オフィスビルや高層住宅、マンションなど、建物の壁に植物を植えるなどして、壁面を緑で覆うことを指す。
ビルの外観に自然を用いて景観を美しく変えられるだけでなく、壁面の温度上昇を抑制したり、騒音を軽減させたりする効果もあり、導入が増えている。また、雰囲気のあるカフェなどインテリアにこだわる施設では、内装に採用して、壁に草木が生い茂っているかのようにしているところもある。壁面緑化を施すことで、省エネルギー効果が期待できるうえ、植物や緑色には精神安定や疲労回復効果があり、ストレス緩和にも役立つことから、導入しているオフィスビルも多い。
壁量(へきりょう)
壁量とは、地震や強風に耐えられる木造建築を造るため、床面積1m2あたりに必要とされる壁の量を指す。建築基準法で、壁の骨組みの種類、屋根の種類、階数などにより最低限必要な壁量が定められている。まず住宅の各階ごとに地震力に対する必要壁量を求める。その際に床面積を加味するが、バルコニーや吹き抜けなどは床面積に含まない。次に風圧力に対する各階、各方向の必要壁量を求める。算出には見付面積が必要だが、垂直投影面積を求めることになる。その後、存在壁量を各階、各方向で算出する。最後に壁量充足率を判定して、各階、各方向全ての壁量充足率が1.00以上で適合となる。
ベタ基礎(べたきそ)
ベタ基礎とは、建物の床面全体に鉄筋コンクリートを流し込んで作られる基礎を指す。
鉄筋コンクリート面全体で建物を支えているため、地震や台風などの衝撃を効果的に地盤へ逃している。
建物下の地盤全体に鉄筋を配筋し、そこにコンクリートを流し込んで作るため、強度が高く、耐震性も優れている。また、湿気が建物に伝わりにくくなるため、シロアリによる被害が防ぎやすくなる。
一般の住宅においては、布基礎を採用することが多かったが、近年は、より強度が高いベタ基礎でつくられることが増えてきている。
ベタ基礎補強工事(べたきそほきょうこうじ)
ベタ基礎補強工事とは、既存の布基礎からベタ基礎へ変更する工事を指す。
建物1階部分の床を取り壊し、布基礎の内側にコンクリートを流し込みベタ基礎を設ける。基礎が劣化し耐震性に問題がある場合や、建物が沈下している場合などに用いられる。底盤一面をコンクリートにすることで耐震性が高まるほか、シロアリの侵入や床下から上がる湿気を防ぐなどの効果がある。
ベッド(べっど)
ベッドとは、寝床・寝台を指す。ヘッドボード、フットボード、サイドフレーム、床板、脚、マットレスなどによって構成されている。
ベッドのサイズは、セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル・ワイドダブル・クイーン・キングに分類され、一般的に2人以上で寝る場合は、セミダブル以上のサイズを選択する。
ペット可(ぺっとか)
ペット可とは、ペットの飼育が可能な物件を指す。
「ペット可」の表記があった場合も、猫または小型犬や中型犬、猫か犬のいずれか1匹までなど、制限がある場合が多い。多頭飼いしている、犬猫以外の動物を飼っている、またはこれからペットを飼いたい、という場合は事前に確認が必要である。また「ペット共生型」と呼ばれるペットを飼うのに便利な設備が整っている物件もある。なお、「ペット相談可」という表記はペットの数や種類などの状況から家主が判断する物件で、ペット可より条件が厳しいものであったり、敷金や家賃が初期設定より高くなる場合もある。
ベッド型耐震シェルター(べっどがたたいしんしぇるたー)
ベッド型耐震シェルターとは、地震による建物倒壊や重量物が落下した時に身を守る空間を作る耐震シェルターの一種で、ベッド自体をシェルター化したタイプを指す。「耐震ベッド」「防災ベッド」とも言う。
夜間、寝ているときに突然地震が起きても、どこにも移動せず居ながらにしてシェルターになる。ベッドの上部や四隅にフレームを設ける天蓋タイプ(テント型)、ベッドの入り口以外をパネル囲むボックス・タイプなどがある。他に、テーブル型の応用形として、ベッドの下に空間を設けて潜り込むタイプもある。これらの簡易型シェルターは、部屋全体や建物の耐震改修に比べて大幅にコストが低い。製品によって自治体の補助対象にもなる。