「と」から始まる用語一覧
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トラバーチン(とらばーちん)
トラバーチンとは、堆積によりできた平行な縞、ランダムに入った細孔の特徴をもつ大理石を指す。
大理石に分類される無機質石灰岩の一種で、天然で採掘される。古いヨーロッパの建築物から最新のモダンな建築物まで、幅広く用いられている。最も有名なトラバーチンは、イタリア中部にあるラツィオ州ティボリで産出されるトラベルチーノロマーノである。ローマのトレビの泉、コロッセオ、フランスのサクレ・クール寺院などが代表的な建築物である。
虎斑(とらふ)
虎斑とは、大きく虎の毛皮のような縞模様を持つ木目を指す。
虎斑は、立ち木の時に、養分を貯蔵していた細胞組織である。独特の縞模様は木の細胞がずれたり、偶発的に並んでできるもので、稀少価値が高い。傷のように見えて悪い木材と捉えられがちだが、虎斑が現れている部分は摩耗に強い良質な木材である。また、銀色の光沢を持つ特徴から、銀杢(ぎんもく)とも呼ばれている。
トランクルーム(とらんくるーむ)
トランクルームとは、使用頻度が低いものを保管するための収納設備を指す。
マンションでは敷地内の共有部分に設置されているか、各住戸の玄関横など構造体のくぼみを活用して作られていることが多い。各住戸に隣接しているタイプは基本的に使用料が発生しないが、共有部分に設置されているものは使用料が毎月発生することがある。また全戸分のスペースがあるとは限らず、希望者が多い場合には抽選となる。サーフボードなどのスポーツ用品や冬用タイヤなど季節のもの、子どもが外で遊ぶときに使うおもちゃ、捨てられない思い出の品などをまとめておける。
トリクロロエチレン(とりくろろえちれん)
トリクロロエチレンとは、有機塩素系溶剤の一種で、別名がトリクロルエチレン・三塩化エチレン・トリクレンなどと呼ばれる不燃性で無色透明の液体を指す。
主に機械や電子などの部品の洗浄に使われ、オゾン層破壊が問題視されたフロンガスの代わりとなる物質の原料にもなっている。使用は1900年代の初頭で、当初は植物油の抽出や衣類のクリーニングに使われていた。しかし徐々に毒性が問題視され、現在は使用されていない。テトラクロロエチレンなどとともに地下水汚染の原因物質である。
急性毒性は皮膚・粘膜に対する刺激作用で、目の刺激、眠気、頭痛、倦怠感とともに、認知能力、行動能力の低下などで、慢性毒性は高濃度において肝・腎障害である。
取付桝(とりつけます)
取付桝とは、下水道の排水管に取り付けられる器具を指す。取付管とも呼ばれる。住宅内から排出される排水が合流する公共汚水桝と下水道管を結ぶ役割を果たしている。取付桝の材料は塩化ビニルが使われることが多く、軽量で施工性に優れている。取付桝および公共汚水桝は、市区町村の管理下にあり、移動・撤去・改造・増設などの工事をする際は管理者の許可が必要になる。
鳥の子紙(とりのこし、とりのこがみ)
鳥の子紙とは、主に雁皮(ジンチョウゲ科の植物)を原料とし、楮(こうぞ)なども加えて漉いた良質の和紙のことを指す。主に板目木版の版画用紙、書画の料紙、襖紙として用いられる。手漉きで作られたものを本鳥の子紙、機械漉きで作られたものは鳥の子紙と区別することが多い。近年では、雁皮の他、同じジンチョウゲ科の三椏を原料として強度を上げたものや、木材パルプを原料として価格を抑えたものなども販売されている。
取引条件有効期限(とりひきじょうけんゆうこうきげん)
取引条件有効期限とは、不動産広告に表示された条件で取引ができる期限を指す。情報誌、不動産サイトなど、物件取引情報を掲載する不動産広告には必ず掲示しなければいけない。
不動産の表示に関する公正競争規約により義務付けられている自主規制であるが、取引条件有効期限内に広告に書かれている条件を変更することは不当表示となる。ただし、予告広告など、省略可の広告もある。また、インターネットの不動産広告では、広告の開始日や情報更新日の掲載も必要である。
取引態様(とりひきたいよう)
取引態様とは、不動産の売買や賃貸の取引を行うときに、不動産会社などの宅地建物取引業者がどの立場で関与するかを指す。取引態様には、売主・貸主・代理・媒介(仲介)がある。売主および貸主は、自らが所有者のケースである。代理は、売主から代理権を得て、売主に代わって契約を行う。媒介(仲介)は、売主(貸主)と買主(借主)の間に入って仲立ちをするもので、買主(借主)は売主(貸主)と契約を結ぶことになる。取引態様が売主・貸主や代理の契約では仲介手数料がかからないが、媒介(仲介)の場合には、仲介手数料が発生する。
トリミングルーム(とりみんぐるーむ)
トリミングルームとは、犬や猫の毛をカットして手入れをするための部屋を指す。
ペットの爪で傷がつかないような専用の床や、犬や猫を洗う大きなシンク、収納棚などが設置されている。においを吸収する働きのある壁を使用していることもある。ペット可やペット共生マンションにはトリミングルームが共用施設としてある場合がある。トリミングルームを持つマンションの目的は、犬や猫をシャンプー、ブラッシング、爪切りなどをすることによってペットの体を清潔に保ち、ペットと快適に過ごすことである。
塗料(とりょう)
塗料とは、防腐、さび止め、つや出し、着色などを目的に、ものの表面に塗る素材を指す。ペンキやエナメルなども塗料の一種である。
塗料の構成成分は、乾燥後に塗膜として残る成分の合成樹脂や顔料、添加剤と、揮発して残らない溶剤から成っている。溶剤には有機溶剤が多く用いられてきたが、環境や作業者の安全面を考慮して、最近では水を使用する水性塗料や無溶剤系塗料、粉末塗料などが増えている。環境面を考慮すると水性系の使用が望ましいが、溶剤系塗料にも、塗料の密着性が高い点や艶や仕上がりの滑らかさ、耐候性の高さと言ったメリットが挙げられる。
トルエン(とるえん)
トルエンとは、揮発性有機化合物の一種で、厚生労働省が濃度指針値を定めた13の化学物質の1つであり、室内濃度指針値は0.07ppm以下、常温、無色透明の液体を指す。
水に溶けにくいが、油には溶けやすいという特徴があり、内装材等の施工接着剤・塗料・油性接着剤・ゴム・印刷インク・殺菌剤などを薄めるシンナーの原料として幅広く使用されている。臭いが非常に強いことから、悪臭防止法、毒物劇物取締法、有機溶剤中毒予防規則などで指定されている。麻酔性・中毒性・神経障害作用があるといわれており、200ppm以上を短期暴露すると、皮膚知覚異常や行動障害、不眠など人体に影響を及ぼす。また、地下水汚染や土壌汚染の危険性もある。入手するには譲渡手続きをとり、印鑑が必要となる。
トレーサリー(とれーさりー)
トレーサリーとは、中世・近世ヨーロッパのゴシック建築において、窓の上部にあるアーチ型に設けられる、幾何学模様の装飾を指す。「狭間飾り」とも呼ばれる。主に、教会のステンドグラスや窓の上部に使用される。石造りで作られた物が一般的で、薄い石をくりぬき作られた物は、「プレート・トレーサリー」と呼ばれる。木製・金属製のトレーサリーも存在する。
トレーラーハウス(とれーらーはうす)
トレーラーハウスとは、広義には車輪がついた移動用住宅を指す。
狭義には、道路運送車両法と建築基準法の規制を受け、定義も異なる。道路運送車両法では「トレーラ・ハウス」と表記され、住居だけでなく店舗やオフィスなども含む被けん引自動車で、大きさが保安基準第2条の制限(車幅2.5m、車高3.8m、車長12m)を越えているものを言う。車検証(自動車登録証)の交付は受けられないが、基準緩和の認定を受けて特殊車両通行許可を取得すれば公道を走れる。
建築基準法では、建築物に該当しない「トレーラーハウス」の条件として、随時かつ任意に移動できる状態で設置すること(階段やポーチなどがなく、車輪が外されていない)、土地側のライフライン(給排水・電気・ガスなどの設備配線配管)と工具を使わず着脱できること、などが定められている。この条件に合わない場合は建築物とされ、固定資産税や不動産取得税が課される。
トロンブ壁(とろんぶかべ)
トロンブ壁とは、建物南側の窓の内側に黒く塗ったコンクリート壁を指す。この壁で太陽熱を蓄え、室内に放熱することを目的としたパッシブソーラーシステムのひとつである。分厚い熱吸収素材で作られた黒い壁面は、昼間のうちに南から照らす太陽光の熱を十分蓄える。夜間は、蓄えた熱をゆっくりと室内に放出するため、長時間にわたり快適な暖房効果が得られる。トロンブ壁によるパッシブソーラーシステムは、他のパッシブソーラーシステムに比べて夜間の熱の損失が少なく、システムの設置や維持が容易なことが知られている。
ドーマー(どーまー)
ドーマーとは、屋根に突き出している切妻の小屋根付き窓を指す。ドーマーウィンドウともいい、屋根裏部屋やロフトのある洋風建築(輸入住宅)によく見られる。屋根裏や室内への明かり採りや換気を目的としているが、おしゃれな雰囲気を演出するために外観のアクセントとして設けられることも多い。トップライトのように屋根面につくられた窓とは異なり、夏は直接の陽ざしを遮ることができ、冬の陽ざしは低く差し込むことで暖房効果も期待できる。
ドーリア様式(どーりあようしき)
ドーリア様式とは、古代ギリシア初期の建築様式を指す。
紀元前6から前5世紀あたりに、ペロポネソス半島に入ったドーリア人によって作られた建築様式とされる。ドーリア様式は、イオニア様式、コリント様式と並んで古代ギリシアの主要な建築様式とされるが、ドーリア様式が最も古い。
ドーリア様式は、元となった木造建築の名残を数多く残しているとされる。特徴として、柱身は短く、中央が膨らむ太いエンタシスには20本の溝が掘られており、柱頭には装飾がない。その質素ながら厚みのある見た目から、荘重、重厚と評される。
ドーリア様式は、ギリシア本土やイタリア南部に多く見られ、代表的な建築物としてアテネのアクロポリスにそびえるパルテノン神殿がある。
ドアガード(どあがーど)
ドアガードとは、玄関のドアの端に付いている用心鎖の一種を指す。
扉と枠を繋ぎ、一定の角度しか開かなくする防犯補助金具で、U字タイプ、チェーン状、棒状、板状のものなど、さまざまな種類がある。家や部屋の内部からの操作が主流であるが、中には外部からキーなどで外せるものもある。主に防犯補助金具として多く利用されている。一般家庭の玄関だけでなく、ホテルの客室などでも使用されているところが多い。
ドアクローザー(どあくろーざー)
ドアクローザーとは、ドアの開閉速度をコントロールしながら自動的に閉める装置を指す。
油圧やスプリングの力でドアが勢いよく開閉するのを防ぐため、ドアが閉まるときの騒音や怪我の防止に役立つ。
ドアクローザーには、スタンダード型、パラレル型、コンシールド型の3種類がある。スタンダード型は、ドアの開く側に装置が付き、パラレル型はドアの押す側に装置が付く。コンシールド型はドアの上框内に本体を埋め込んで取り付けるため、ドアを閉めた状態でアームが隠れるようになっている。
ドアの形状や設置場所に考慮して選ぶ必要がある。
ドアスコープ(どあすこーぷ)
ドアスコープとは、玄関などのドアに取り付けて外の様子を確認できるのぞき穴を指す。穴には広角レンズを使用しており、玄関前の様子が広がって見える。扉を開ける前に外を確認できるので、防犯に役立つ。ドアスコープは扉に対して1つ付けるのが一般的だが、その下にもう1つスコープを設置したダブルドアスコープもあり、背の低い小さな子どもや車いすの人でも確認できるようになっている。
ドアストッパー(どあすとっぱー)
ドアストッパーとは、ドアや戸を開けたままの状態で固定したり、開けたドアが部屋の壁にぶつからないようにするための器具を指す。
主に差し込みタイプ、足操作タイプ、キャッチタイプ、置き型タイプなどがある。
差し込みタイプは、ドアと床の間に差し込んで利用する。足操作タイプは、マグネットや粘着シートを使ってドアに直接取り付け、ストッパーを足で上下に動かして固定する。キャッチタイプはマグネットでドアを固定し、あたり止めも兼用する。置き型タイプは、ドアストッパーそのものの重さでドアを固定する。