鋸屋根とは、ノコギリの歯のようにギザギザの形をした
屋根を指す。
三角定規の60度の角を上に、直角部分を下にして、いくつも横に連ねた状態と言える。
天井付近の壁にある
高窓から採り入れる光を「頂側光」と言うが、鋸屋根の場合、歯型の垂直面に複数の頂側光を採り入れられるため、屋内は非常に明るい。
採光面を北側に向けると、直射日光を避けながら、時間による変動のない光環境を得られる。広く均一な
照度分布を必要とする工場に多い。住宅への採用は稀だが、鋸屋根を応用して実験的に取り入れた例、鋸屋根の工場を
リノベーションした例などもある。
歯形の凹部分を「陸谷(ろくだに)」と言い、
漏水のリスクが大きいため、
樋を二重にして勾配を大きめにとるなどの防水対策が必要である。