街は、一つの順位では語れない。

街の住みここち・住みたい街・住み続けたい街・街の幸福度という4つの視点が重なり合うイメージ

住みここちランキングとは

住みここちランキングは、大東建託 賃貸未来研究所が実施する国内最大級の居住満足度調査です。

2019年の開始以来、毎年約18万人の回答を集め、2026年までの累計は110万人を超えています。全国約1,800の自治体を対象に、「住みここち」「住みたい街」「住み続けたい街」「幸福度」など、さまざまな角度から街を調査しています。

  • 2019 調査開始
  • 約18万人 毎年の回答者数
  • 110万人超 2026年までの回答者数累計
  • 約1,800自治体 全国の調査対象

街にはさまざまな魅力があります。
交通の便利さや買い物のしやすさ、地域への愛着、住民の幸福感、街のイメージや知名度など、街を評価する視点は一つではありません。
住みここちランキングは、それらを多面的に捉え、街の本当の姿を明らかにすることを目指しています。

各ランキングの特徴


街の住みここちランキング

実際に住んでいる人が、その街の居住満足度を評価したランキングです。
交通の利便性、買い物環境、医療機関、治安、自然環境など、街の機能的な側面を数値化しています。因子分析から得られた「生活利便性」「行政サービス」といった8つの要素別での分析も行っており、街の特徴を多角的に捉えようとしています。
また、「子育て世帯の街の住みここちランキング」「移住者が選ぶ!住みここちランキング」など、さまざまな属性ごとの集計も実施しており、立場やライフスタイルによる評価の違いを知ることができます。さらに、自治体版に加えて駅版のランキングも公表しており、住まい探しや引っ越し先選びにも活用できます。

住みたい街ランキング

「住むならどこに住みたいか」を聞いたランキングです。
よく遊びに行く街であったり、知名度やブランド力、イメージの影響を受けやすく、「人気投票」に近い性格を持っています。
そのため、大都市や全国的に知名度の高い街が上位に入りやすい傾向があります。

住み続けたい街ランキング

「今住んでいる街にこれからも住み続けたいか」を尋ねたランキングです。
暮らしやすさだけでなく、その街への愛着や誇り、地域とのつながりなども大きく影響します。街への誇りが愛着を生み、その愛着が「住み続けたい」という気持ちにつながることが分かっています。
(賃貸未来研究所 総評レポート2021 )
そのため、住みここちランキングとは異なる結果になることがあります。

街の幸福度ランキング

人々の主観的幸福度を調査し、街ごとにランキングにしたものです。
幸福度は、家族構成、人間関係、資産状況、働き方や価値観など、人それぞれの状況(個人属性)に大きな影響を受けます。
実際に、過去の分析では、結婚している人や子どもがいる人、仕事をしている人、収入に満足している人などで幸福度が高い傾向がみられています。
(賃貸未来研究所 総評レポート2021 )
そのため、このランキングは「暮らしやすい街かどうか」だけではなく、「そこで暮らす人が結果として幸せを感じているか」を見ているランキングです。

大東建託株式会社 賃貸未来研究所
フェロー
宗 健 メッセージ

宗 健 (そう たけし)

宗 健 (そう たけし)

麗澤大学教授 博士(社会工学・筑波大学) ITストラテジスト
大東建託株式会社 賃貸未来研究所 フェロー
1965年北九州市生まれ。1987年九州工業大学工学部卒業、株式会社リクルート入社。通信事業部、求人系インターネットサービス企画マネジャー、ForRent.jp編集長、ISIZE住宅情報編集長、R25式モバイル編集長などを経て、2006年株式会社リクルートフォレントインシュア代表取締役社長。2012年リクルート住まい研究所長。2018年7月より大東建託株式会社賃貸未来研究所長。2020年4月AI-DXラボ所長(兼任)。2021年4月麗澤大学客員教授を経て、2023年4月より麗澤大学教授、大東建託株式会社賃貸未来研究所 フェロー。

なぜ「住みここち」は生まれたのか


「住みたい」と「住みここち」は同じではない

私は以前から、住みたい街ランキングは必ずしも街の正しい評価ではないのではないか、と思っていました。
住みたい街ランキングに投票する人は、すべての街を知っているわけではありません。実際には、「よく遊びに行く街、有名な街」に投票しているだけだと考えていたからです。
街の評価では、すべての街を知っていて横並びで相対評価できる人がいないこと、お店の数や都心からの近さといった客観的で公表されている情報を使ったとしても、それは必ずしも正しい評価にはならないこと、を考慮する必要があると考えていました。
その結果、であればシンプルに住んでいる人たちの評価をそのまま使えばいいのでは、と考えました。

大規模調査という壁

しかし、それを実現することは簡単ではありませんでした。
住みたい街ランキングであれば、首都圏で数千人の投票を集計すれば成り立つのに対して、住んでいる人の評価を集めるためには、はるかに大規模な調査が必要になります。
たとえば首都圏には約2,000以上の駅があります。各駅で30名の回答を集めるだけでも、単純計算で約6万人が必要です。自治体単位で見ても、全国約1,800ある自治体から50名の回答を集めるためには、単純計算で約9万人が必要になります。

住みたい街ランキングの数千人に対し、住みここちランキングは駅版で約6万人、自治体版で約9万人、実際の調査は毎年約18万人という回答数の比較

このような大規模な調査は、その費用を考えれば、簡単に実現できることではありません。

転機

転機となったのは、大東建託へ転職し、賃貸未来研究所が設立されたことでした。
大東建託は全国で賃貸住宅を供給しており、その地域の情報を正確に把握し、それを社会に伝えていくことの価値を十分に理解しており、2019年から住みここちランキングを発表しています。
こうして2019年に住みここちランキングがスタートしました。
最初は、住みここちランキング住みたい街ランキングの2つのランキングを発表していましたが、2020年には住み続けたい街ランキング、2021年からは街の幸福度ランキングの発表を開始し、そのほか子育て世帯の街の住みここちランキングふるさとランキングコンシャスな街ランキングなど様々なランキングも発表しています。
さらに、2023年からは街の魅力度ランキング<都道府県版>、2024年からは自治体ブランドランキングの発表も始めました。

  1. 2019年街の住みここちランキング/住みたい街ランキング
  2. 2020年住み続けたい街ランキング
  3. 2021年街の幸福度ランキング
  4. 2023年街の魅力度ランキング<都道府県版>
  5. 2024年自治体ブランドランキング

主要な4つのランキングの主な観点

現在の主要な4つのランキング 住みここち、住みたい街、住み続けたい街、街の幸福度の各ランキングは以下のような観点で街を見ています。

街の住みここち(機能的な評価)の上に住み続けたい街(情緒的な評価)、さらにその上に街の幸福度が積み上がり、住みたい街はそれらとは別の軸として位置づけられる関係図
住みここち
生活利便性、交通利便性など主に街の機能的な評価
住みたい街
街の人気投票。知名度に左右され、上位の少ない街に投票が集中する。
住み続けたい街
街への愛着など街への情緒的評価を含んでいる。
街の幸福度
街の機能的評価や情緒的評価、人気とはあまり関係がない。最も上位の概念としての評価ともいえる。

街は一つの見方で評価するものではない

私たちは、特定のランキングだけが重要だとは考えていません。

街には、暮らしやすさという価値もあります。
地域とのつながりや愛着という価値もあります。
広く知られ、人を惹きつける魅力という価値もあります。
そして、人が幸せに暮らせているかという価値もあります。

そもそも、街は一つの見方で評価するものではありません。
居住者による主観的評価、非居住者からのイメージ、人口動態や商業施設数といった客観的なデータなど、さまざまな観点から見ることが重要です。また、インバウンドなど観光客や関係人口が重視される昨今の状況では、街の知名度やイメージに関する評価も重要だと考えており、その意味では、自治体ブランドランキングも重要だと考えています。

私たちが注目していること

人口減少が進む中、多くの自治体では人口増加や利便性向上が課題となっています。
しかし、新幹線や高速道路の整備、大規模商業施設の誘致といった方向だけを追い求めると、全国の自治体が同じような都市化を目指すことにもなりかねません。一方で、幸福度ランキングを見ると、交通利便性や生活利便性が必ずしも高くない地域であっても、高い幸福度を実現している自治体が存在します。
北海道東川町、東神楽町、長野県原村などは、その代表例です。
2026年8月19日に発表した住みここちランキングの総評レポートでは、全国の自治体を7つのクラスターに分類しています。その中でも私たちが注目しているのが「小規模・高幸福型」の自治体群です。

多くの自治体が向かう「人口を増やす・交通網を整備する・商業施設を誘致する」方向に対し、人口規模も都市的な利便性も高くないが住民が高い幸福感を持って暮らしている「小規模・高幸福型」を対比した図

人口規模は大きくない。
都市的な利便性も決して高くない。
それでも住民は高い幸福感を持って暮らしている。

こうした地域の存在は、自治体が同じ尺度で競争するのではなく、それぞれの地域らしい豊かさを目指す可能性を示しているのではないでしょうか。また、インバウンドや関係人口が重視される時代だからこそ、街の知名度やイメージを測る自治体ブランドランキングなども重要だと考えています。

住みここちランキングが目指すもの

住みここちランキングは、2019年から毎年約18万人の回答を得ている大規模な調査です。
継続的な調査を通じて社会の変化を長期的に捉えることで、その価値はさらに高まると考えています。

私たちは住みここちランキングを通じて、以下を探求し続けます。

「人々が幸せに暮らせる街とは何か」

今後とも、住みここちランキングにご注目ください。

宗 健
大東建託株式会社 賃貸未来研究所 フェロー

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