石綿とは、天然の繊維状けい酸塩鉱物を指す。以前はビルなどの建築において、保温断熱の目的で壁や天井などに安価な石綿を吹き付けていたが、石綿の繊維は肺線維症や悪性中皮腫などの原因になり、肺がんを起こす可能性があることが分かってから使われなくなった。アスベスト含有建材(アスベストを0.1%の重量を超えて含有するもの)は労働安全衛生法施行令により2006年9月から輸入・製造・使用等が全面的に禁止された。石綿が含まれた建材を使用した住宅の補修や解体を行うときには、事前に手作業で取り外すなど、飛散しないよう対策する必要がある。また宅地建物取引業法では既存建物について石綿使用の有無の調査結果が記録されている場合は、その内容を重要事項説明として建物の購入者等に対して説明することを規定している。